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愛に飢えた相続人/伊藤 悶/メラニー・ミルバーン

<ハーレクインコミックス>

出典:https://renta.papy.co.jp/renta/

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<簡単あらすじ>
それは奇妙な遺言だった。2年前に亡くなった父の、その遺言によりヒロインは25歳までの半年間、後見人となったヒーローの元で資産管理の方法を学ぶことと、マナーハウスに一緒に住むことが条件と記されていた。

ヒーローが16歳のとき、このマナーハウスに引き取られた。そのときヒロインは7歳だった。

寂しい幼少期を過ごしたヒロインと、壮絶な過去を持つヒーローは大人になり別々の道を歩む。

遺言によって2人は2年ぶりの再会であったが、ゴシップ記事の常連のヒロインにヒーローは愚かなプリンセスと言い放つ。その陰りのある瞳から嫌われていると感じるヒロインだった。

<登場人物>
アラベラ・ハヴァ―トン
・愛称 ベラ。
・資産家令嬢。

エドアルド・シルヴェリ
・実業家。
・16歳のときベラの父に引き取られる。
・マナーハウスの相続人でありベラの後見人。

<感想(ネタバレ注意)>
数日が経ったある夜、ベラは庭先に出ます。湖面が月明かりに照らされている中、そこにエドアルドがいました。

ベラは木の陰に隠れてその様子を見ていました。ベラの目には苦悩と孤独を背負いながら戦う黒い騎士に見えたのでしょうか。

そして何を思ってエドアルドは、月を見上げていたのでしょうか。エドアルドの歩んできた人生の象徴的なシーンのように見えました。

その後2人はぶつかり合いながらやがてベラは素直に自分をさらけ出しますがそれでも、

たぶん誰にも
わかっては
もらえない
ぼくは
幸せというものが
怖い
まぶしくて
目を
そむけたくなる

出典:「愛に飢えた相続人」

まるで自分を罰しているかのようなエドアルドの思いにエドアルドのつらい過去も含めて、ベラの純粋な愛の光で、その心を照らしてほしいと願わずにはいられませんでした。
読んでいて悲しくなるほど切なくなりました。

またベラの父の苦悩にも触れ、愛したかったという本当の心をお2人が知った瞬間、やさしい愛に包まれたように見え感動的でした。とてもイイお話でした。
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